ひさびさ
なーんか気づいたら最後の記事から半年たっちゃいました
小山田圭吾もいつのまにかシーンに戻ってますし、また世間的には無関心そのものになったのかもしれないですね
シリーズはそのうち復活予定です、
最近仕事が忙しく、仕事で体力削っちゃってブログ書けないという状態がずっと続いてます
頭痛薬飲んでまで書くモチベーションが今は無いというのもありますが、完結はさせたいです
結局のところ、最後は各個人が小山田圭吾の印象が嫌いか好きかで変わってしまう、という結論になってしまうのかもしれませんが、それじゃあ余りにも凡庸なので、もっと考えを巡らせたいですね
トリプルファイヤー - スキルアップ @ 森、道、市場 2023 - YouTube
そーいえばトリプルファイヤーのライブ行ってきました
ジョイ・ディヴィジョンとか54-71とかと比べられてた時とは様変わりし、ジェームズ・ブラウンから坂本慎太郎、果てはエレクトリックマイルスまで感じてしまうほどの熱さでした
それで歌詞が「相席屋に行きたい」「お酒を飲んだら楽しいね」なんですからカオス極まれりですね
内省のための小山田圭吾の問題考証 ②(片岡大右氏の著作:第1章について)
ヤンナルネ
小山田問題は僕を10年以上悩ませ続けた問題です。現状、「小山田圭吾」「コーネリアス」は僕のTwitter上ではブロックワードに指定するくらい目を背けたい事象です。
だというのにまた自分からこの問題に飛び込もうとしています。本人の醜悪性とネット界隈の醜悪性がここまで煮詰められ、問題は10年前より最悪な状態になっていると思います。
この問題の語り辛さは、「いじめ問題」「いじめ問題に対するジャーナリズムの問題」「小山田圭吾の語った事象の真偽」「作品と作家性」「キャンセルカルチャー(キャンセルカルチャーという用語を持ち出すことで、この問題を一般化することで小山田圭吾問題を矮小化しようという意図があるのではないか?という見方もあるようですね)」...などなどぱっと思いつくだけで複雑な要素が絡み合っていることからもわかります。
この問題に対し、自分が納得できるような何らかの形の文章(なるべく時代性とか、五輪問題とかは抜きにして)を書いて、「自分における」小山田問題に終止符を打ちたいと考えています。
ある意味私がブログを立ち上げたのも、この問題を少しずつ噛み砕いて考えてみたいなあ…と思っていたからなのですね。
すでに問題に関する様々な言論を浴びているだけで動悸がドキドキしてきちゃってるんですけど、なんとか仕上げたいです
聞き物(2022/6/26時点でSpotifyにないもの)
Spotifyには加入しているのですが、近所にCDも借りれる図書館があるのでそこでSpotifyで聴けない音楽を漁るという意味不明なことを繰り返しています。
しかしながら、ここの住民のモラルが欠けているのかCD盤面が激しく傷んでおり音飛びしまくりというCDにも何度か出会っており、遭遇するたびがっくり肩を落としております。CDは丁寧に扱えって親から教わらんかったんか。
山本精一先生が初めて歌声を解禁したアルバムとして有名ですね。近年の先生の職人技ギターサウンドを期待するとだいぶ肩透かしかもしれません。伴奏はスカスカだしPhew先生の歌い方も妙にクセがありますし、私もしばらくは耳が不幸せな感じを覚えながら聴き続けていたアルバムでした。しかし、この「耳に入ってこない」ことを楽しむアルバムでもあるんだと思います...(意味不明)。「飛ぶひと」なんかかなり虚無的な歌詞だし、「ロボット」「そのうち」もみんなのうたみたいな雰囲気を醸しながら不気味さが拭えません。でもこのネガティブな感じがすっと心にはまる(でも耳はまだなんとなく違和感を覚えている)時がくるのですよねえ...「鼻」の「もう生きたくないけど だけど死にたくもない」という歌詞なんて素晴らしすぎます。伴奏の朴訥さもやっぱこれじゃなきゃありえないな...という気持ちにさせられます。
ゆらゆら帝国 - "Are You Ra?"
ドラムが柴田一郎に交代した後もよくライブで演奏されている曲が含まれているアルバムです。石原洋さんがプロデューサーとして関わったのもこのアルバムからで、これより以前の妖怪歌謡ロック路線からはだいぶスタイルが変わっているのではと思います。
「グレープフルーツちょうだい」はこのアルバムのが原曲で、メジャーデビュー後もベスト盤に再録されてますが、ギターが大人しめの割にボーカルにドスが聴きまくっていたり挙句の果てには演奏すらもズタズタにされたバージョンが収録されているので、この版に収録されている坂本さんが変なテンションで歌ってるバージョンがあまり聞かれないのはもったいないですね。
全体的にベースは控えめ(てゆーか次作がデカすぎ)でアレンジもスカスカですが演奏はやはりしっかりしており、ヨレた坂本さんのギターワークは感涙ものです。
Prince - "The Black Album"
Spotifyではなぜか「Cindy C.」「2 Nigs United 4 West Compton」だけ聴けるというよくわからないアルバムです。
基本ファンクと書いてあるものにはだいたい喜んで飛びつく僕ですが、プリンスおじさんだけはいまだに魅力がよくわからない。スガシカオとか岡ちゃん(未聴)にはモロ影響与えてるのはわかるのですが。世に言うファンクってこんな縦ノリなの!?っていつも思ってしまう。でもかのJBだって縦ノリの権化みたいな曲が多いし、この辺はわたくしのファンクの認識違いかもしれません(スラップベースさえ入ってたら「ファンクだ!」とかって決めつけちゃう方もいらっしゃいますし、何らかの伝播ミスがあるのかもしれませんね)。
このアルバムはプリンス特有のコテコテバラードとかロカビリーっぽい曲が無いのが逆に聴きやすいです。相変わらず音は80年代全開のリンドラムにシンセですがそんなにダサく感じない。
これ聞いた後に十年前ぐらいにツタヤでレンタルして音源だけダウンロードしたけど大して聞いてなかった"Sign O' The Times"もだいぶ聴けるようになりました。相変わらず「Play in the Sunshine」とか「Slow Love」はうーん...て感じでしたが。そういえば先日うちのバンドの専属ギタリストに「Purple Rain」カバーしましょうよとリクエストしましたが難色を示されました。恍惚の表情でギターソロかましまくるとこ見たかったんだけどなー
高橋悠治 - "John Cage Sonatas And Interludes For Prepared Piano"
大巨匠でありながら作品が膨大すぎていまひとつその功績がつかみづらい高橋先生の名盤です。ジョン・ケージも大巨匠でありながら作品が膨大すぎていまひとつその功績がわかりづらい作曲家ですが(だいたいが4分33秒のイメージで終始してしまう)、こちらはアジア的パーカッシブな響きが大変楽しい曲が詰まった作品であります。ピアノ弦に釘打ち込むだけでこんな梵鐘みたいな響きするんか...という音色に対する驚きもありながら、禁欲的なまでに展開が少ない(音程の選択も全曲ほぼ同じなんじゃないかというくらい)はずなのに、独特の間とバラエティ豊かな鍵盤のタッチもあってか不思議とずっと聞いてられるアルバムです。他の演奏者による演奏とも比べてみるとより世界が深まるのかも。Spotifyはとっとこ高橋先生の作品群をもっとアップしなさいよ。
Ornette Coleman - "Chappaqua Suite"
これも何故アップされてないのか謎です。ゴールデン・サークルでのライブでも共演した仲良しのリズムセクションの二人とファラオ・サンダース、そしてオケ隊を率いてオーネット先生が吹きまくる濃い作品です。映画のサウンドトラックを想定されたためかオケ隊のアレンジは確かにゴダールあたりの伴奏としても使われててもおかしくないような、まったく解決感のない和音を「ピャへ〜」みたいな感じでたまに弾いてるだけというのが面白いです。この伴奏のおかげで逆にオーネット先生特有の調性の間をフラフラしてるような演奏が逆にポップに聞こえてくるマジック。ゴールデン・サークルでのライブはバックにピアノ等のコード楽器なしで吹きまくるため一聴して何がなんだか...という気がしてましたが、このアルバムでの80分近い演奏を通して聴くとソニー・ロリンズ先生以上にコードに縛られず移調を繰り返す自由さこそがオーネット先生の魅力なんだなあと気づくことができました。
ちなみにファラオ・サンダース師はPart4でのみソロとってますが、相変わらずのフラッター多用しまくりの不気味ブロウで安心します。
Lou Reed - "Coney Island Baby"
これもなんでSpotifyに抜けているのかよくわかりません...みんな大好きメタルマシーンミュージックはあるのにね。ぜんぜんルーさんのソロ作品は聞いてないんですけど、初期ソロ作品の猥雑さが抜け、落ち着いた渋い曲が揃っている好盤だと思います。アレンジが基本ギター2本+ベース+ドラムでごまかしの効かない編成のためほんのり緊張感が漂っているのもすき。白眉はタイトル曲でしょう。ボーナストラックにはタイトル曲のアコースティックバージョンも含まれておりこちらも甲乙つけがたいです。
Maceo and all the King's Men - "Doing Thier Own Things"
メイシオさんは高校のときに"Funkoverload"を聞いてからずっと好きなんですけど、なかなかジェームズ・ブラウンのバックにいたときの活躍っぷりがほとんど把握できておりません(てゆうかジェームズ・ブラウンのアルバムをほとんど聞いたことないですしよく知りません、セックスマシーンの合いの手はメイシオさんが歌ってたと思ってたくらいなので)。このアルバムはジェームズブラウンバンドをストライキしてた時のアルバムだそうですが、逆にJBのファンクのノリをようやく掴めたような気がします。
JBのアルバムだとどファンクな曲の後にコテコテなソウルフルバラードが続いたりするのでそれがあんまり好きじゃなかったりするんですけど、こちらはそれがないので逆に曲風が統一されてて好きです。なんかこう、ミーターズとも似たような、個々の奏者の演奏は簡素ながらそれらが無機的に絡み合って結果的にとぐろを巻くようなサウンドになっているのが面白いですね。あとメイシオさんはすでに1stアルバムの時点に歌ってたんですなあ。
メイシオさんもなかなかSpotifyに作品が揃っておらず、名盤と名高い"Life on Planet Groove"はあるものの大名曲の「Shake Everything You've Got」が聴けないという大罪を犯しています。ふざけんな!(迫真)
The Tony Williams Lifetime - "Emergency!"
ジャズロックとしては妙に不遇な扱いを受けてると思っているライフタイムですが、一番有名なこの1stだけSpotifyにないというのもなかなか不当な扱いです。
ジョン・マクラフリンがマイルスバンドにいた頃のキレキレなギター音が大好きなんですが、なかなかソロアルバムでもマイルスのアルバムでも長々と聴けないことがわかってきた(現時点で)のでこのアルバムでの白熱プレイは大変貴重に感じます。3人とも脂が乗り切ってる時期だったのか全曲ともソフト・マシーン顔負けなハードな曲ばかりで素晴らしいです(ソフト・マシーンと比較していいのかはわからないですが...)。残念なのは曲名見てもどんな感じでどんなリフの曲だったか思い出せないことですかね...トニーさん作曲の曲がほとんどを占めているのですが、マイルス黄金期バンドでもそうだったようにトニーさんはあんまり印象的なメロディを書くことには興味がなかったのかもしれませんね。めっちゃフリージャズやりたかったんじゃね?という憶測も見たことがありますし。でも名盤です。
Joni Mitchell - "Hejira"
あえてジャコパス非参加の曲を。ながらくジョニ先生のイメージは"Blue"でのフォークの神髄的な世界か、"Mingus"でのジャズ名人をバックに従えた不思議音楽の世界しか知らなかったのですが、ストリーミング撤廃を期にもっと他の作品も聞きたい!と思い図書館で借りてみたところ趣味にバッチリ合いました。歌詞もすごいことになっているのでいつか手に入れて邦訳を読みながら聞きたい。
そういえば有名曲の「Coyote」は聴くたびにThe Bandのラスト・ワルツにて披露されたけどその場ではベーシストの某リックさんの手が追いつけなかったという悲しい話を耳にして以来、そのことばかり頭がよぎります。
dip - "Love to Sleep"
dipもなぜかメジャー所属期のアルバムだけすっぽり抜け落ちててかなしい。インディーズ期のアルバムもキワキワのサウンド(向井秀徳)でいいのですが、このアルバムは全曲メロディーがカッコ良くて何度も聴きたくなります。ヤマジさんの歌も「Sludge」「Lust for Life」でのヤマっ気のある感じ(本人はそんなつもりなさそうですが)だけでなくや「Love to Sleep」「Dear Prudence」での語りかけるような歌い方もあり表情豊かでどれもすばらしい。Sonic YouthとかMy Bloody Valentineとか私が大好きな90年代バンドのサウンドをオマージュとかパロディなんてレベルではなくしっかり消化し完全に自分流のロックンロールへ落とし込んでいるのがすごい。dipのツイッター(というかほぼヤマジさんのツイッター)はいつも拝見させているのですが、いまだにサウンドや奏法やチューニングを研究し続けているとおり、ヤマジさんの探究心にはいつも驚かされます。このアルバムも当時のヤマジさんの探究の結果が昇華されているんじゃないかなあと思います(もちろんそれだけじゃないからこそここまでのものが作れたのでしょうねえ(畏怖))。
ずいぶん前にツタヤでヤマジさんの若かりし頃のソロアルバムを借りて聞いたときは全然ピンとくるものがなかったのですが、その時の曲がこのアルバムにいくつも収録されているため聴き比べると大変面白いです。「Water-colour」は当初こんなアコースティックなアレンジだったんか...とか発見が多い。
Zs - "New Slaves"
ニューヨークの謎多き前衛器楽バンドZsの4枚目のアルバムです。なんかノイズ系の音楽を紹介してらっしゃるブログさんの記事で知ったんですけど、初めてこのアルバムの1曲目をYoutubeで聞いたときはおどろおどろしすぎてゾクゾクしたのを覚えています。幻惑性を排除しきったミニマリズム、サックスなぞはストリングスかと思うほどの過剰な音響処理、そして全曲とにかく音が暴力的にデカい。曲名からして様々なアメリカの暴力的な歴史やメッセージを内包しているのでしょうけど、私のような無知日本人にはその暴力サウンドからときおり顔を覗かせるサンプリングされた声や祝祭的なドラムからしか窺うことができないという。しかしながらそれすらも彼らのサウンドを構成する一部でしかないように感じるほどの凶暴な音楽です(メッセージを感じられる人はいるみたいですが。 レディオヘッドはともかくゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!をメロドラマ呼ばわりするのはかわいそうだと思う、あるバンドを褒め称えるのに違うバンドを引き合いに出して貶すのは極力...やめようね!)。嫌がらせと思わずぜひ聞いてみてください。
ちなみに私は日本限定の2枚組を買いましたが、あんまりリミックスはどれもしっくりきませんでした...JGサールウェルさんのおもしろリミックスは良かったですが。
ほかにもニール・ヤング師のライブアルバムとか借りたんですが、「わあどれもいい曲だな〜」ぐらいの感想しか今はでてこないのでまたそのうち書きます。
観たもの(雑多)
・お笑い
暇さえあればザコシショウの動画ばかり見てます。仕事中でも。
30分という尺の長さについボヤいちゃう碇司令ほんとすき。もうシンエヴァ見ても物足りなくなりそう。
松本りんすさん並びにハリウッド軍団の売れてない芸人さんたちの体たらくは笑えるを超えてもはや社会問題を感じさせずにはいられません。いられませんが、だからといって手を差し伸べたくなるわけでもないという。
松本りんすさんもなかなかの体たらくですが、かたくなに底無しの卑しさや泥酔騒ぎを認めようとせず言い訳し続ける姿は何度見ても清々しい。中澤滋紀さんが常識人ゆえにこうした体たらく芸人も視聴できるんでしょうけれど。ユーシューブ特番は作業用にぴったり。飽きない。
コシショウさんが桐野安生さんについていびり転がしまくったりボヤきまくってる時が一番好きかもしれない。ソファで棺桶になって寝るゼロ芸人にここまでよく付き合ってあげてるなあと思う次第。まあ中澤滋紀さん自身も「売れてなくたって本人たちが幸せならそれでいいかなって(笑)」という最大の突き放し文句を言ってらっしゃるのでほんとにそろそろやばいんじゃないか。
ちなみにこの動画で一番面白いのはキャプテン渡辺のタコ踊りだと思います。
あんまり大物芸人とコラボしてる悪い顔選手権は好きじゃないのでこういうマニアックな長尺動画をもっとあげてほしい(トレンド逆張りマン)
自由席B席縦乗車はバカ笑いました。
もはやコントも漫才もあんま違いのないようなコンビですが、コントの方がまだ反町隆史(概念)という外枠がある分安心して笑える気がします。この後に及んで伊藤ちゃんの髪型いじりするのほんとすき
ラジオショー聞かなくなっちゃって久しいですが、ツヨメロアンサー(特に偽あいだみつをの詩コーナー)だけは続けてほしいです。
・映画
ソン・ガンホさんの何が好きかって展開にしたがって徐々にいい気なおっちゃんから使命を帯びたマジな目をしたおっさんへと覚醒していくところが好きなんですが、なんとこの映画、その覚醒がありません。ひたすらに主人公の心の拠り所になろうとして空回りするおっちゃんの姿に涙。主人公も(無理に)信仰に光を見出そうとしますが、本当に苦しくて辛いことの前ではそんなもの風前の灯火という辛さ。苦しみに打ちひしがれる人を描くのが上手い監督だあ...”バーニング”で幻滅してしまった方にも是非見ていただきたいです。
"クライマックス"
こーいう色彩・ヴィジュアル先行の映画とはソリが合わなくなってきている気がします。間違いなく感性の衰えですね。てっきりみんなヤクでキメキメになって大乱交の末に血がドバドバみたいなサバド的映画を期待してましたが、前半はずっと陽キャがダンシングダンシングしてるだけでうるさかったです。後半になってようやくモラルが外れてきたなーと期待したのに女の子が火ダルマになって廊下駆け回るぐらいしか面白いシーンがありませんでした。配信サイト特有の「トリップして〜」「狂気が〜」みたいな宣伝文句には流されないようにしたいですね。狂気は日常にこそ宿る(激寒)
同監督の”アレックス”はまだ興味ありますが、肩透かしかもしれません...トリアーおじさんほどはひどくないと思いますけれど。
"幸福"
コワイ!!!!(忍殺)
男の身勝手さとクズっぷりをキャッキャウフフな描写とともにお届けしてくれます。
でもそれでいて「やっぱ男ってダメなやつでしょ?」みたいな脚色的なsage描写(周囲の人間から「あの人は女癖が悪いのよ〜」と噂されている、など)がないのがすごい。男が不倫して前の妻から別の女へと関係を移行していったという淡々とした過程をなぞっただけなのに吐き気を催す邪悪はなんなのだ。
"MEMORIA"
🐦 ボン...ボボン....
みなさんお嫌いなアート映画です。きっと某映画文句ブログにはえらく酷評されていることでしょう。しかしアピチャッポン監督の美術展まで通い、過去2作もウォッチしたわたしはどうしても見なければならなかったのだ。
わたくしが好きなのはこの↑写真作品なんですが、この写真も単に兄ちゃんが変なお面かぶってるというだけでなく、撮影したその地における歴史も踏まえて読み解く必要がある作品です(皆様のお嫌いな文脈を読め!というアティチュードですね)
そうしたその場その場の土地における記憶や伝承というものを監督はすごく大事にしていると同時に、常に追い求めてきているのではないかと考えています。今作はそうしたその地に赴かなければ見えない/聞こえない記憶や伝承について大きく掘り下げた映画だと感じました。そして最終的には未来の足跡という時間制約すらも吹っ飛ばした境地にたどり着くことができたんじゃないかとまで思ってます(ラストの謎の飛翔体はやっちまった感ありましたが)。あとは相変わらず自然だいすきなシーンばっかりだったのがうれしかったです。ラストの雨音が美しかった。
"ボーダー 二つの世界"
ネタバレ上等でこきおろすので映画を見たいと思ってる人はブラウザバッグお願いします。
きつねさんがかわいかった(小並感)。
ルッキズム云々とか性器が逆転したことによるセクシズム云々に対する問いかけはそんな感じませんでした。周りの人間がもはや当たり前のこととして主人公一族の存在を受け入れていたからかもしれません。こうした異種・同種(もしくはどうぶつさんたち)と主人公がどう関わっているかというストーリーはやや掘り下げ不足なんじゃないかと思うこともありつつ、緊張感を持って見ることができました。
しかしながら、この上にもう一つの主軸となっていた幼児ポルノ事件に関わる話を統合させようとしてきたのはだいぶ無理があったと思います...人間に対する復讐をしてるはずなのに結局人間に加担してたし。あとお前自分の子供でそれをやられるというリスクは鑑みなかったのか?という疑問がふつふつと湧いてきます。
もやもやにさらに拍車をかけるのがラストシーンです。主人公のもとに恋人の産んだ子供が送られ、主人公が赤ちゃんを抱き抱えてやっぱかわいい〜♡子供って無垢〜♡みたいな最後で終わってたのがもやもや。お前は異種にも同種に対しても同等の倫理観をもって接せられる数少ない存在だろうが!!!!なに子供送られて納得してるんだ!!!!という憤慨が。
人間と異種の関わりを描写した映画を見るときは警戒した方が良い、というのは嫁様の言葉なのですが、全くもってその通りでした。