らなる堂

音楽

今年を振り返る(映画編)その2

キングスマンキングスマン:ゴールデンサークル

マーリンの引き際とか結構雑だったりして続編って大変なんだなって思いました。アクションは最高。

 

◯メッセージ

映画館で見たかった(DVDで見た)。わたくしコミュニケーション不全系(?)の物語にものすごく弱いんです。全てを伝えきることができないとわかっていながらもコミュニケーションを構築しよう、意思を伝えようというその思いだけで泣けてくるし、その意思をなんとしてでも理解しようとする思いにも胸を打たれます。「スローターハウス5」に通じるものを感じたとFilmarksに書いたところ、優しいお方に映画の原作者自身がヴォネガットの言葉を引用した文があると教えていただきました。その節はありがとうございました。

緊迫した展開もあり、純粋にSFものとしても楽しめます。宇宙戦争みたいなのを期待するとアレかもしれませんが(宇宙人とドンパチしないSFはクソだとかこき下ろしてたWeb記事を見てしまい「爆撃すんぞコラ!」と久しぶりに激昂してしまった)。

 

◯There Will Be Blood

いろんな意味でノーカントリーと対をなす作品かもしれない。「欲にまみれた極悪人」と切り捨てることのできないダニエルという男の複雑さ、人間くささに惑い続けました。DVD特典で見ることのできる緻密な時代考証には驚きました。こちらも映画の構造全てをまだ掴みきってない感じがするのでもう一回みたい。畜生VSど畜生のバトルとして鑑賞しても遜色ない気はしますが。石油のごとくドロドロした映画です(苦し紛れ)。ジョニグリのメシアンっぽい音楽も素晴らしかった。

それとラスボスに挑む時は物理スキルをしっかり上げてからにしましょう。

君もこの映画を見てミルクシェイクの会(非公式ファンクラブ)に入会しよう!

 

◯The Master

 これは(全裸スケスケカメラシーンも含めて)好きなシーンが多くて困るのです。ホアキン・フェニックスにハマったきっかけにもなりました。カルト教団という「船」に身を寄せあいながらも、一枚岩ではない信者たちの人間模様や、フレディの心が離れていく様はモデルとなった教団を絶対的な悪とも善とも描かない姿勢が見て取れるようで面白かったです。フレディが少しずつ過去と折り合いをつけるとともにランカスターとの関係性も変遷してゆく。そして宿命的な別れに至るわけですが、そのラストシーンが愛に溢れていてもう何度見ても素晴らしい。


The Master Favorite Scene Philip Seymour Hoffman

フィリップ・シーモア・ホフマンがとっくに逝去したあとで観たのでつらいです。

まちゃ野郎町山おじさんによる解説も面白いのでぜひ。


町山智浩の映画塾!「ザ・マスター」<復習編> 【WOWOW】#125

 

◯T2 トレインスポッティング

文句なしに面白い。僕にとってのユアン・マクレガーは高い人間性と能力を兼ね備えたジェダイ・マスターなので、もう二度とあの痩せぎすのヤク中青年に見えることはないんじゃないかと思ってたんですけど、そんなことはなく。すっかりおじさんになったシック・ボーイやスパッドと絡み出すとあの愛すべきダメ人間たちが帰ってきてくれたことがよくわかります。あの頃と同じように財布を盗みまくったりサッカーに熱狂したり酒におぼれたり好き放題過ごそうとする彼らですが、もはや「人生を選ばない」なんていう選択のできない時代をどこかで感じ取っているようにも見えます。差別的思想への傾倒や、SNSによるエゴの肥大など、空虚さにますます磨きのかかるイギリスの世相を反映したリアルさは流石です。はちゃめちゃな彼らが4人集まって仲良く酒を飲み昔を語り合う...なんて甘いノスタルジーは一切ありません。自分の息子が選んだ選択を肯定し、対決に挑むベグビーの姿に泣きました。彼らが再びそれぞれの人生を選んでいく(一人は「選ばされた」ヤツですが)姿にはかすかな希望を感じました。

 

グラン・トリノ

うってかわってこちらはアメリカの話。自分の身を投げ打ってもいいと言えるほどの存在・人々に出会いたいと思えました。大事なことは、そうした存在を見つけられるかということよりも、そうした心持ちになれるほど自分の精神的な障壁を下げていく・取り払うことができるかどうかだと思います。古い価値観の押し付けじゃねえの?と感じなくもないシーンもありましたが、コワルスキーの最期はそうした価値観からの解放ともとれるような気がします。クリント・イーストウッド本人歌唱によるEDも必聴。

 

◯ジョーカー

恐ろしいほど冗長かつ何を言ってるかわからない考察文という名のめちゃくちゃな思考の断片を書き連ねることになりそうなので控えます。何より言いたいことは、初めてジョーカーのポージングをとるシーンで泣きそうになったこと、観終わったあとになんとなく心が清涼感で満たされたということです。こんな経験初めてやで。

 

◯HEAT

やっぱ自分は90年代の映画が好きなんだということを自覚しました。発展途上の街のCG、リアルさを追求した銃撃戦など...あんまりフェティシズムで映画を語らないようにしたいと菊地成孔先生のインタビュー記事を読んで思ったんですけど、渋いおっさんがぞろぞろ出てくるクライム映画にはどうしても弱いので。でも「ゴッドファーザー」観たあとの方がもっと面白く見れたかもしれない(映画の内容には一切関係ないです)。ニールの最期にはもうちょい救いがあってもよかったとは思いましたが、アマプラでタダ同然で観たのが申し訳なくなるぐらい面白かったです。

 

◯ボーダーライン

うおお...重てえ...内容の重さもさることながら、チームを率いる捜査官と謎コロンビア人もどこまで信用していいのかわからないし、のっけから「メキシコ警察は信用するな(絶望)」「警察の制服を着たヤツを信用するな(絶望)」という右も左も安心できない状況下での緊迫感というのが...もう...重たい...。ヨハン・ヨハンソンによる音楽も緊張感を嫌でも上げてくるんです。最後まで救いのない展開。え...!?現実はもっとヤバいって...!?やだこわい...やめてください... ベニチオ・デル・トロ最高。

 

◯サタンタンゴ

うおお...7時間...。もうこれに関してはFilmarksの駄文を読んでいただくしかない。

https://filmarks.com/movies/55578/reviews/74303428

自分で書いておきながらあれですが、この映画の中心的な構造に「円環」が据えられることを考えると、酒飲みの医者先生は木材で完全に立てつけた窓を再び開く可能性というのは十分にあるのかもしれないです。まああくまで想像でしかないのですが。白黒というのが景観をうまく殺しており果てしなく虚無です。長回しの多用は自分と登場人物たちの時間だけでなく感覚までも同期されていくような心地となり、それがポジティブなものならばいいんですけど、ぬかるんだ大地とか雨風ふきさらしのトラックの荷台とか猫いじめとか苦痛そのもののようなシーンばかりなので辛い。

製作者はあらゆるシーンに意味を見出すことができますが、観客にはその全てが伝わるとは限りません(伝わってもこれはムダだと罵られることすらもあります)。だから普通の映画ならいろんなシーンをカットしたり撮る前から断念するんでしょうけど、7時間超という尺はある意味では「どのシーンも大事だ!意味があるんだ!」という製作者のエゴ夢を実現した作品といえるのではないでしょーか。私としては確かにどのシーンも価値のあるものに映りましたし(途中10分くらい寝ましたけど)、これでもまだ伝え足りないことがあるのではないかと感じるくらいです。

 

「これに関しては...」とか前置きしておきながら結局長々と書いてるやんけ

 

バスキア

ボウイの存在感がすごすぎて。ボウイの演技はいつものボウイそのものにしか見えないけど(普段よりはちょっと淡白そうに見える気もするが)、それがしっくりきているというのだから不思議なものです。理解される人々が去っていき、少しずつ孤独に身を埋めていく天才の姿。若くてファンキーなベニチオ・デル・トロが素晴らしい。ラストは彼に救われました。でも結局バスキア展は行ってません...だってグラフィティアートとかよくわかんないんだもん...

 

イコライザー

コマンドー at ホームセンター。19秒設定がいつのまにかどっか行っちゃったのが残念ではあったけど主役は理想の大人そのものなので安心して見れます。

 

また長くなったのでその3へ。これ年内に終わるのかねえ...

今年を振り返る(映画編)その1

別に「俺はシネフィルだ!」と言い張るつもりはありませんが、これまでと比較すれば今年の映画を観るペースは「取り憑かれたかのように」と形容してもよさげでしょう。

なんとなくFilmarksを始めてみたせいで、このブログからは映画感想の記事が消滅する事態となりましたが些細なことです。回りくどく長ったらしい文をどれだけシェイプアップできるかの修行に取り組んでおります。

 

映画館、アマプラ、レンタルDVDといった鑑賞形態についてはこの際問わないことにして、思い出深かった映画だけピックアップしてみようと思います。

 

ディア・ハンター

バンドの方のディア・ハンターYoutubeで検索してた時に、よくシーンの抜粋動画とテーマ曲がかかってたんでずっと気にかかってた映画でした(バンドの方は同名のゲームが由来だそうです)。思えば何もかも嫌になって授業をサボりこれを見に映画館へ突撃したのが全ての間違いだったのかもしれない。そんなことはさておき、テーマ曲がとにかく良いのでオープニングから泣きそうになる始末。ベトナム戦争の傷跡をテーマとし、なおかつロバートデニーロが主演の映画だと「タクシードライバー」の名がもう一つあがることで有名ですが、こちらは前半でやさしい世界を見せつけられた後に一気に突き落とされるので「タクシードライバー」より辛くなりました。そしてロシアン・ルーレットのシーンで精神がボロボロに。「ラスト・ワルツ」と2本立てでしたが、そのせいでロビーのギターソロでもう泣きそうになる始末でした。めいさく。

 

◯世紀の光&ブンミおじさんの森

以前にも書きましたが、映画を観る前にアピチャッポン監督の個展を見たせいで、「??!??!?!」としかいえない展開となっても全てが許せてしまう事態に。タルコフスキー強化週間を終えた現在もう一度見てみたらまた新たな発見があるかもしれない。

個人的には、映像美と音楽は「世紀の光」に軍配が上がりますが、「ブンミおじさんの森」についても、土着的な死生観がより強く表れたストーリー(?)とUKロック丸出しなエンディング曲に心を掴まれました。

 

f:id:Rafuka:20191227031523j:plain

f:id:Rafuka:20191227031549j:plain

...いや特に関係ないと思いますけど。むしろ関係あってほしい。

 

女王陛下のお気に入り

清水ミチコ&ナイツ土屋もオススメの映画だったんでみました。老女のベットシーンというやや誰得な場面もありましたが、思い返すと女王陛下は泣けるほど純情でしたね。大事なものは失ってから気付くということかしら(お嬢様部)。わたくしずっと「がんばれアビゲイル!」と応援しておりましたのに、途中からサラお姉様の壮絶な凋落っぷりに心が痛くなりまして。「がんばれサラお姉様!」と応援するほかにありませんでしたわ。眼帯(?)つけ出してからのサラお姉様は本当にかっこよろしくてもう。自分でもびっくりの豪華絢爛手のひら大回転でございましたわ。サラお姉様のその後のご健闘ぶりはお描かれになられなかったようでしたけど、その後のアビゲイルの凋落が微妙に示唆されているので溜飲が下がりましたわ。あと殿方はほぼみんな傀儡と化していて滑稽でしたわね。おほほ^〜(映画にはガバガバお嬢様言葉は登場しません)

 

サスペリア

ぼくはトム・ヨークの音楽を聴くためだけに観に行ったようなもんなのに、なんでこんな怖い思いしなきゃいけないんだ...!って途中から本末転倒なこと考え出すくらい怖かったです。ホラー映画はぜんぜん得意じゃなかったことを思い知らされました。正直に言うと上映前からビビってたし、目伏せてた場面も多かったです(赤紐全裸ダンスはちょっと迫真すぎて笑いそうになりましたが)。でもやっぱりトムの"Suspirium"が流れるもっとも凄惨なシーンは美しかったし、これ観た後にリメイク元観るのもなんか気がひけるなあ...と思いました。そのうち見ます(見ない)。

 

ブルーノート・レコード ジャズを超えて

内容としては書籍化されてるものの範疇を超えませんが、大好きなプレイヤーたちの写真(白黒がなのがまたかっこいい)がこれでもかと流れ、大好物のハードバップが映画館の音響で聞けるというすばらしき非日常を味わえました。もっとマニアックになってもいいんじゃないかとも思いましたが、あれくらいがいい塩梅なのかもしれませんね。僕にハードバップを開眼させた「A NIght At Birdland」の"Split Kick"を聞いた時は初めて聞いた時の興奮が蘇りました。ウェイン・ショーター先生によるアート・ブレイキーとマイルスのものまねは必見です。もちろん演奏シーンも。ATCQDe La Soulなどヒップホップにも目を向けられていたのもよかった。興味がない人にはお勧めできませんが(ほぼ馴染みのないわたくしの母親は寝たそうです)いい映画でした。

 

◯レオン

これ見てゲイリー・オールドマンにハマりました。みんなそうか。

 

ノーカントリー

宇宙人ジョーンズとシルヴァとサノスが出てる映画です。サノスについては同じ人だと気づかんかった。ハビエル・バルデムのやばい悪役を見たくて借りたら本当にやばい悪役だったんで大満足です。ピストルの撃ち合いとかカウボーイハットとか西部劇の価値観を全否定するがごとき圧倒的な強さと存在感。そして話の通じてないあの感じ。ただ、車にぶつかった後少年たちに助けられたシーンではちゃんと人間やってました。でもそのまま町に溶け込んで去っていくのを見ると言いようのない不安が襲うわけです。友人とはラストがよくわからんという見解で一致しました。構造はまだよくわからんとこ多いし、なにより面白かったのでもう一回見たい。

 

 

長くなったのでその2へ。 

American Football - The Summer Ends

https://youtu.be/qLuAiy76JhI


American Football - Summer Ends "Live at Webster Hall, NYC, NY"

 

I'm thinking about leaving and how I should say goodbye. With a handshake or an embrace or a kiss on the cheek, possibly all three. Well, maybe I've been wrong. Maybe my intentions are irrelevant. But honestly, it's not just for me.
We've both been so unhappy. So let's just see what happens when the summer ends.

別れの時にさよならをどうやって伝えるか考えている。握手をするか、抱きしめるか、頰にキスするか、3つ全部してみようか。たぶん俺はずっと間違えていたんだよ。俺の思いなんてどうしようもないものだったんだよ。でも本当のところは、俺だけがそうだったわけじゃないんだ。俺たち二人ともすごく不幸せだった。だから何が起こるのか眺めていることにしよう。夏の終わりに。

 

 

今年を振り返る(Spotify編)

僕の大好きだったベーシストの一人のジョッシュ・フォーヴァーさん逝去からはや一年経ってしまいました。

https://pitchfork.com/news/former-deerhunter-bassist-josh-fauver-is-dead/

 

Deerhunterの話をしだすとキリがないんですけど、ジョッシュが脱退してからすぐに出したアルバム「Monomania」をいろいろと吹っ切れることができたのか、最近は聞くことが多くなってきています。死の匂いがプンプン漂う作品。


Deerhunter - Back To the Middle (Official Video)

 

そんなわけで今年もSpotifyくんが今年のベストトラックのプレイリストを頼んでもいないのに作ってくれましたので文句でもつけつつ振り返りたいと思います。なんか新しい試みとして「2019年のまとめ」とかいう特設ページもSpotifyくんは作ってましたけど、ページの途中でアプリが落ちるのでまともに見られませんでしたよ。あとPC版アプリ(MacOS)はいまだに起動が遅いというバグが生じてるのに全然改善されてません。がんばれ。

 

open.spotify.com

曲順=聞いた回数の順位という解釈でいいんですかね...?

 

1: Lambchop - "Everything for You" 

2: Lambchop - "Crosswords, or What This Says About You"

 

今年Spotifyで一番聞いたアーティストはLambchopだそうです。二曲とも一番最近のアルバム「This (Is What I Wanted to Tell You)」の曲です。もともとオルタナフォークとして括られてたはずの彼らですけど、前作「Flotus」からヴォーカルにエフェクトを入れ始め、エレクトロニカ(もしくはCluster的なクラウトロック)に接近し何が何だかわからない状態になっております。その前作も静謐な曲ばかりで良作でしたが、今作はメロディーがより際立ち、直情的な曲が多くなってます。カート・ワグナー先生の歌声に心が温まる2曲です。アルバム中唯一アップビードな"Everything for You" は本当によく聴きましたよ。逆に言うと「This (Is What I Wanted to Tell You)」はこの2曲しか聞いてないということなんですけどね...

 

3 : mei ehara - "蓋なしの彼"

5 : mei ehara - "頬杖"

7 : mei ehara - "狂った手" 

ほか、9、10、11位にランクイン

 

mei eharaも聴きました。ほんとによく聴きました。「Sway」は今年一番聞いたアルバムかもしれません。きれいな水みたいな音楽です。ミニマルなアレンジ、モコモコしたミックスなど好きな要素をあげたらキリがない。ちょっと憂鬱そうな歌声もすばらしい。メジャーセブンスを多用した進行も最高です。とりわけDメジャーセブンス大好き人間としては"蓋なしの彼"のDメジャーセブンスは最高です(なんかスージー鈴木さんみたいになってきたな)。

就活の時にはこればっか聞いてました。混乱しまくった頭を抱えて歩いた時に聞いた"街の様子"の抑制されたギターノイズに救われたり、駅までの道のりまでで聞いた"冴える"で吹っ切れた気分になったり。自分の好きな要素が詰まった作品です。でもこんだけ好き好き言っといてCD買ってないという。

 

4 : American Football - "My Instincts Are the Enemy"

6 : American Football - "Home Is Where the Haunt Is"

8 : American Football - "Born to Lose"

 

American Footballに関しては絶対CD買うまで聞かない!という謎のこだわりがあったんですけどあっさり陥落しました。ストリーミングには勝てなかったよ...

1stアルバムももちろん素晴らしいんですけど、聞いた回数だと2ndアルバムの方が相当多いみたいです。サウンドが分厚くて充実してるのが好みなのかもしれません。"My Instincts Are the Enemy"についてはマイク・キンセラの歌声に漂う哀愁とポジティブさのバランスが良いです。これ歌いながら弾くのキツそうだな〜って毎回思うギターもキラキラしてて良い。だいぶ前の記事で書いたような気がするんですけど、歌詞が全部後ろ向きなことしか書いてないのもグッときますね。"Home Is Where the Haunt Is"、"Born to Lose"はその極地かも。

三曲ともどういう時に聞いてたっけな...なんか特に聞く曲ない時にとりあえず再生しとくか...みたいな感じだった気がします。

 

12 : ミツメ - "青い月"

 

「A Long Day」は好きすぎてCDレンタルしましたし、今年出た新譜の「Ghost」に至っては買いました。そうじゃなかったらミツメの曲はもっと上位に食い込んできたと思います。この曲は名曲"エスパー"のシングルのカップリングですが、エスパーに引けを取らない名曲だと思います。川辺さんの歌い方にあんまり感情が感じられない(失礼)とことか、アウトロでシンセが遊びまくってるとことかが"エスパー"以上に「A Long Day」以前のミツメらしさを感じます。1st~3rdもそこそこ好きですけど、メロディーがはっきりしてる曲の方が個人的に好みなのでどうしても聞く回数は「A Long Day」以後の曲に集中してしまうようです。

ほぼ何も考えずにボーッとしてる時とかにこの曲をよく聞いてました。でもアウトロのギターふたりのカッティングの応酬でこっちのテンションも若干上がってきてしまう。

 

13 : Boy Pablo - "Everytime"

 

彼のライブ映像を見たら、お客さんで会場が埋まっていなかったので悲しい思いをしたわけなのですが、めげずにこれからもふんわりとしたいい曲を作ってほしいところです。Youtubeでマック・デマルコの動画見てるとほぼ確実におすすめされるのが謎なんですけど、シンセポップに抵抗がなければぜひ聞いていただきたいところです。

なぜ好きなのかと言われたら曲調が...としか言えないんですけど、シンセの使い方がちょっとアナログっぽいとこがあったり、ボーカルに頑張ってる感がないとかですかね。...まあわしが聞いてる音楽はほとんどボーカルに頑張ってる感ありませんけど。

歌がうますぎないポップ音楽が増えて欲しいとよく思ってます。

 

14:Jerry Paper - "A Moment"

歌が上手いと言っていいのかもわからないし、ポップ音楽なのかもわからない。いやポップ音楽ではあるか。我が道を突き進むJerry師匠。相変わらずメロディーの良さが光る曲ばかり作っておられますが、近作はWise Blood、そしてMild High Clubと垂涎もののコラボ曲も収められ、ますます勢いに磨きがかかっておりましたが、やっぱり後半の曲からセンシティブになるきらいがあるので、こういうシュールで元気の出る曲をもっと作って欲しいところであります。あとライブ映像も歌ってるだけで面白いし元気が出るのでもっと挙げてほしいですよね。

 

15:Summer Salt - "Revvin' My CJ-7"

のんびりとした雰囲気にはソフトロックの匂いがしますが、録音のローファイさはもはやモダンですらあります。ギターとベースとドラムだけで構成されたこじんまりとしたバンドのサウンド、少しヘロヘロなボーカルになんど癒されてきたことでしょう。

もし天国にたどり着けないのなら

Cj7(ジープの車種)のエンジンをかけなきゃ

それが人生というものさ

 某音楽雑誌に「このままのスタイルだと後がないぞ」みたいな忠告をされてたんですけど、こっちとしてはそんなの構わずに今のスタイルで突き進んでほしいです。

 

17:The Yellow Monkey - "SHOCK HEARTS"

バンドノメンバーガコノ曲コピーシタイッテ云フカラ、参考ノタメニショウガナク何度モ聞イテタライツノ間ニヤラランクインシチャッタンダヨ。ハードロック嫌イナ僕ガ、イエモンナンテ聞クワケナイジャナイカ。コントンジョノイコ。

.......バンドのメンバーにこの曲コピーしたいって言ったのは僕だし、それ以前からしょっちゅう聞いてました。iPhoneでキーボード弾いたのは結構楽しかった。歌いやすい音域なのでイエモンがカラオケのレパートリーとなってるんですが、この曲はいろんな意味で直球なので歌ったことないです。ノリノリでホントに楽しい曲です。PVも最高。

 

25:Beach Fossils - "Shallow"

夏によく聴きましたね〜。Real Estateとテイストが似てるらしいという話から聴き始めたんですけど、Real Estateとは別物ですよね。篭り気味なミックスとギラギラしたギターがよい。ドタバタしたドラムは性急さを煽り立てているにもかかわらず、ボーカルはヘロヘロでその上わずかにディレイがかかっており、このズレが頭を心地よくトロけさせてくれます。ライブ映像だとこのトロけ具合が再現されてなくて残念。無理な話とはいえ。

ただこのスタイルも今作限りなようで、次作ではミックスがかなりすっきりした音像となり、ギターが後退し、キーボードやストリングスが目立つアレンジの曲が多くなってしまいます。まあそれだけならいいんですけど、アップテンポの曲がグッと減ってしまったのが一番残念なところです。バーズを意識したような夢見がちな"This Year"は好きですが。これからも期待しております。

 

 

そんなこんなでそろそろ息切れしてきたんでもうやめときます。

ランクインしてないけどここ最近聞いたバンドだとDusterでしょうか。2ndアルバムはハードコア→ポストロックの転換期にみられた実験性と寂寥感そのものなメロディーが融合した名盤でありました。19年ぶりの新作も出したようでうれしい。

Spotifyに入ってないバンド・アーティストだとBlankey Jet Cityをよく聴きました。後期になってからのBJCは完全に侮ってたんですけど、なかなか切れ味のある曲ばかりで何度も聞いてはハイになっております。

 

 

今年も同じような曲を何度も聞き返しました。来年もおんなじ感じだと思います。

・教科書を捨てました。

わたくしの学部の教科書は広辞苑なみのページ数かつ非常に巨大なサイズのものばかり使われており、そういう粗大な書物を何冊も買わされたのです。買ったからといって講義で頻繁に用いるわけでもなく(大概の講師は用意したプリントをもとに授業をすすめてましたよ)、家に帰って広げるわけでもなく、学校で勉強するために持ち運ぶにはあまりに不便なので、図書館にも置いてあった全く同じ教科書を借りていた私にとって、本棚に放置された粗大な書物たちはただただホコリをかぶっていくという運命にありました。

研究室に入り、研究内容が専門化したあとはまったく不要となりました。

我が学部の教授の一人は就職したあと、粗大な教科書の一つを読み直して再び学問の道を目指したそうです。すごいですね(棒読み)。わたくしが選んだ学部とか専攻の良いところなんて正直言って単位が取りやすかったくらいしかないですから、僕には一生理解できないようなことだと思います。

粗大な書物たちを捨てにいくのには一苦労しましたが、今ではそのスペースが積みCDの置き場となり百倍くらい有効活用されております。

 

・いろいろと自分を追い込まなければいけないような時期になってきたので辛いです。最近は市販のカフェイン錠剤に頼り切りです。エナジードリンクは効かなさそう(偏見)。こういう時期に入ると些細なことでイラつき、直後に自分の器の小ささに悲嘆するということが多くなります。まあ瞬間芸みたいなもんです。

直近だと夕刻のニュース番組で、深刻なニュースをやった後に大相撲の特集をやるのに激しくイラついたりとか、某民放放送局の珍しい光景がどうのとかいう番組に死ぬほど不快になったりと、どんどんヤバい方向に自分が傾いていってるのをよく感じます。

そういう時は電車の中吊り広告かなんかで見た「激しい怒りは6秒以内に治る!」的なことを思い出して耐えるようにしてました。ただ、アンガールズがこれをネタにした漫才(田中がひたすら山根をイラつかせて山根が怒りを制御しようとするもだんだん制御しきれなくなるみたいな展開でした)をやってたのもついでに思い出してしまう。もうアンガールズで怒りを抑えてるようなものですね。

 

中川家サンドウィッチマンのラジオ番組を何度も何度も繰り返して聞くのをそろそろやめたい。やめたいけどやめられない。

 

・元ハルキストを自称してたくせに「風の歌を聴け」をまだ読んでなかったので中古で買いました。裏表紙には4つも100円の値札が貼られてました。

いきつけのブログさんがこれ読むとビールをいつも飲みたくなると言ってました。確かにビールは飲みたくなりました。気恥ずかしくなるようなことばっか書いてあんなあ〜っていうのが一回読んだ感想ですけど、何度も読めばだんだん馴染んでくるのかもしれません。いまんとこ僕は次の「1973年のピンボール」の方が好きですね(半ギレ)

ただ思ったよりエロ描写が少なかった。十ヶ月のうちに54回もセックスしたという驚異の記録はありましたけど。週一かあ。

 

 


『容疑者、ホアキン・フェニックス』予告編

こんなん誰でも笑うわ

眉毛に白髪が

・人と会った時に鼻毛が出てることに気づかれなおかつ気を使われて指摘されないことほど悲しいことはないので、自分のマヌケ面をまじまじと観察してみると、なんとまあ眉毛に白髪が生えてるではありませんか。そんなの別に初めてのことではありませんが。わたくし自身のストレス・寝不足指標が手にできる湿疹(汗疱というそうですね)だけでなく白眉毛まで増えたということでしょうか。目立たないけど見つけたときに悲しくなるのでやめてほしい

 

ダークナイトAmazon Prime特典が終わってしまいました。もう一回見ようと思ってたんですけど、思い出すタイミングが遅すぎた。

10月中のPrime特典が切れる映画が多すぎるし何気に見たい映画もあったので悲しい。新しく特典になったので見たいのはターミネーター2くらいしかないです。

 

電子ブロックを発掘したが電池ボックスが液漏れしてた

まとまった記事を書く集中力がないのでまた近況をまとめておくだけにしておきます。

 

・ブログタイトルは本当にあったことです。内容と関連性ゼロの題名つけてるのは吉田戦車のマネです。4コマ漫画の題名考えるのがめんどくさくなったのか欄外に「今回から全然関係ないタイトルつけるぞ」と書いてあって、家族をネタにした4コマなのにタイトルが「水仙」とかだった覚えがある。

吉田戦車がらみだと、うちの本棚から"くすぐり様"が発掘された時があり、思い出補正かもしれないが結構エロかった。そのせいかいつのまにか廃棄処分されてしまったようじゃ。当時はもうすでに歪んだ性癖が形成されつつあったのでもう手遅れだったんじゃがな。ほっほっほ...

 

・4~5年弱使ってきたMacbookの充電ケーブルがいよいよ寿命を迎えつつあります。プラグとケーブルの接続部分が折れ曲がって銅線みたいなのがむき出しになりそうになっている。今の今まで使ってたんですけど異臭がしてきたので使用停止しました。

また周辺機器類で金が吹っ飛ぶと思うと軽い憂鬱になります。しょうがないけど。

 

・映画に逃避し続けております。暇さえあればアマプラで映画見てる始末。

そしてついにFilmarksにアカウント登録してしまう始末。

https://filmarks.com/users/shirokimidori

プロフィール通り星4以上しかつけないクソ甘レビュアーと化しています。

最近だと"Joker"は期待以上に面白かったです。今日会った後輩の女性も見たらしいんですけど感想は「思ったよりフツーでした(要約)」とのことでした。とりあえずダークナイト勧めといたんですけど、勧めた後で「男は大好きだけど女が観ても全然面白くない映画No.1」とか言われてたことを思い出しました。そんなことないと思いますけどねえ。

 

・ようやく秋になってきました。わたくしにとっての秋はThe Flaming LipsかDeerhunterなわけですけど、今年はスロウコアなるジャンルの音楽をよく耳にしてます。その中でもDusterというバンドの2ndアルバムが最高です。1stはまだメタルを脱してない感じがあっておもしろいです。

Youtubeのリンクがうまく貼れないんでリンクだけ適当に置いときます。

youtu.be

絶妙に死にたくなる

 

 

・中学とか高校のころは妙にミクスチャーロックとかラップメタルが流行ってた記憶があります。レッチリもその同系列で語られてたんで完全に偏った印象を持ってました。

偏見なしで聴き始めたきっかけは相当アホなもので、高校生だったころ「洋楽を聞けばモテる」という謎理論を言い出したクラスのR君が、同じ塾の友達だったN君に学校の近くのツタヤでCDを借りてくるように指令し、そのN君が選んで借りてきたCDの中にレッチリのベスト盤があったのを発見したわたくしはダメ元で「これ借りてええか?」と聞いたら「ええよ」と承諾してくれたため、その日のうちにiPodへと落として返却したというものです。ツタヤの又貸しはリスクが高いのでやめようね!

 

「Universally Speaking」はいまだに大好きな曲です。

youtu.be

あと好きな曲は「Scar Tissue」「Under the Bridge」くらいかなあ。ミドルテンポでジョン・フルシアンテのコーラスが効いてる曲が好きなんです。そもそもハードロックに興味を失うのが早かったんでアップテンポの曲はそこまで...と言った感じです。そんなわけなので決して人には「レッチリが好きなんです」なんて口が裂けても言わないようにしている。

 

その後R君は何を思ったか前の机の女子の予定帳を勝手に読むという事件をやらかして女子全員から引かれるという顛末となりました。わたくしの高校時代の思い出は全部アホなことばっかです。