らなる堂

音楽

サニーデイ・サービス@日比谷野外音楽堂(2017.8.27)

覚え書きとして。

 

とにかく圧巻でございました。ジャムとかソロの競い合いとかのテクニックではなく、純粋に曲の良さと勢いで魅せてくれました。

 

MCは1曲目終わってからの「座っていいよ、椅子あるんだから(笑)」とアンコール2回目での「また次も野音で演ろうって、たまに演るのが良いんだけど(笑)」くらいで(うろ覚えです)、後は休みなくぶっ通しです。さすがプロです。熱量の高かった「さよなら!街の恋人たち」「セツナ」でヘトヘトになりそうでしたが、その分「海へ出た夏の旅」や「時計を止めて夜待てば」などのバラードが沁みました。

 

選曲としては夏終わりかけということもあってか「愛と笑いの夜」「24時」「MUGEN」からの選曲が多く、特にわたくしは「MUGEN」が大好きなので、「八月の息子」「江ノ島」でウルッとしかけました。

 

曽我部さんは「96粒の涙」以外はほぼ白いグレッチ(たぶん)を演奏しておりました。とにかく音がデカいのなんの。リードもリズムもできる強みを存分に発揮しておりました。「さよなら!街の恋人たち」での弾き倒しっぷりには燃えました。歯ギター→回転弾きとか最高でした。ギターソロの時もフィードバックノイズを組み込んだものが多く、特に「24時のブルース」での後半のソロはほぼフィードバックノイズでした。メタルマシーンミュージックですかと内心ツッコミましたけど非常に効果的な演奏だったと思います。歌の調子もすごく良かったです。相変わらずホントに良い声でした。日本のニール・ヤングですね(問題発言)

田中さんのベースも相当音がデカかったと思います。サウンドのバランス的にはちょうど良いものだったんでしょうけれど。どちらかというとこの方のベースはどこぞの敏腕音楽プロデューサーと違ってガンガン主張しまくるタイプではありませんが、音源と演奏してた人とは違う人なんかと思うくらいに疾走感のある演奏でした。音圧が違うというだけでは説明しきれない何かがあったと思います。コーラスも素敵でした。

 サポートギターの新井さんはなかなか堅実な演奏でした。もっとアドリブとか入れまくってバリバリ弾きまくるのかなーと思いきや、基本的には音源に忠実な演奏でございました。「海へ出た夏の旅」の前奏ではE-bow(たぶん)と音響系のエフェクターを用いた演奏を、「24時のブルース」「夜のメロディ」でのリズミカルなカッティングを担い、コーラスまでやってのけるなど結構な活躍ぶりでした。

 

キーボートの高野さんは基本的にリズムバッキングやストリングシンセによる助奏が主体であまり強く主張するような演奏ではありませんでしたが、確かこの方も「海へ出た夏の旅」の前奏でナゾの電子ノイズを発生させたりしておられました。ギタリスト二人がギャンギャン言わせてる中で、裏方として重要な役を担っていたのではと思います。確証が持てないのはわたしのクソ耳のせいです。ごめんなさい。あとタンバリンを振る姿がとてもステキでした。

ドラムの岡山さんは田中さんとともに化け物じみた疾走感を出しておりました。フィルインはほぼ音源に忠実なものでしたが、結構荒々しさのある演奏もお得意なようで、「セツナ」とかは原曲のセンチメンタルさはどこへやらといった叩きっぷりでした。「花火」でのスネアの抜けのいい音も印象的でした。当然勢いがあいまってテンポも暴走するなんてことはなく、非常に正確なリズムキープをなされていただけに、もっと叩きまくっても良かったんじゃあないかなと回想していますが、やっぱり程よく演るということが一番ベストなんだと思います。

 

あとはなんか思ったことを。

・野外だけにセミとかビロードツリアブをでっかくした虫とかコウモリとかおりましたがそれもまた一興です。蚊に刺されなかったのは奇跡です。

・一曲目の「今日を生きよう」では、一人でリフだけ弾いてみても全く雰囲気がでない曲だけに(「24時」全ての曲に言えることかもしれませんが)、やっぱりこのバンドの"魔法"とでも言うべきナニかを感じました。ユルさだけじゃ成り立たないナニかがあります。

・「さよなら!街の恋人たち」では曽我部さんがとにかく弾きまくったあとギター・ベース3人ともアンプに近寄りフィードバックノイズを撒き散らしておりました。まるでSonic Youthみたいだぁ...(恍惚)

・「シルバー・スター」は音源だと地味目な曲なんじゃないかと思っとりましたがお客さんは結構盛り上がってましたネ。あのバンジョーのイントロもギターで再現。

・「24時のブルース」が終わったあと「週末」で緊張の糸が切れてトイレに行ったのはわたしです。なんやスティールギターは無いんか...じゃあええかと思ったことを深く後悔しております。

・最新アルバムからは「花火」だけでした。「Popcorn Ballads」にはオートチューンを多用した曲が多く、そのままだと再現しにくいから大胆にアレンジした演奏が聴けるんじゃないかという期待はありましたが。この曲はほぼまんまでした。サビの移行が気持ちいい。

・ほぼ陽が落ちたあたりで後ろのスクリーンに映っていたモヤモヤした感じの映像は一体何だったんでしょうか。

・「One Day」の照明の演出は泣けました。あ、やっと・・・夏が終わるんやな・・・

 

 

素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。