鈴木茂先生の自伝「鈴木茂のワインディング・ロード」を読みました。
写真がいっぱい載ってて楽しかったです。
...小学生の絵日記みたいな感想はよしましょう。
自分の生い立ちから、はっぴいえんど、ソロ活動、アレンジャーとしての活動、最近の活動や考えていることが書かれております。はっぴいえんど時代の三作とBand Wagonについては一曲一曲ずつ先生からのコメントが書かれております。何に影響を受けたかとか何の曲をイメージしたかなどですね。それ以後のアルバムや他の参加作品についてはそんなに言及されておりません。それはちょっと惜しい点ですね。
先生の機材の組み立て方はこの動画でも十分説明されているんですが、今回読んだ自伝でも非常に詳しく書かれております。先生のペダルボードを調べるとヴォリュームペダルムが2つとか3つとかあったりしてかなり異様なんですが、これは先生のギターのスタジオにおけるタブルトラック録音をライブでも再現したいと言う哲学の表れだったんですねえ。
先生ははっぴいえんど時代はファズを聞かせまくってギャンギャン鳴らしてるタイプのお人だったのですが、だんだんとクリーントーンを主体とした音作りをするようになっております。「ポップな歌モノなんだけどギターのリフがしっかりと曲を構成している音楽」を追求するスタイルははっぴいえんど以後は顕著ですね。
こーいうスタイルから、
こーいうスタイルです。
単純なリード・ギタリストとしてではなく、はっぴいえんどを経たことでよりアレンジャー的な視点が深まったということでしょうか。ティン・パン・アレー時代は先生のいろんな演奏スタイルが窺えて非常に勉強になります。
そんでまあ、この自伝は80年代に先生がどのように編曲家という仕事を主体に写していったのか、どんだけ苦労したのかについてもよく書かれておりますが、その編曲を行なった個々の作品についてはほとんど記述されておりません。調べてみたらこんなサイトがございました。はえ^〜すっごい。美川憲一とかあります。鈴木茂 編曲作品リスト
最近Spotifyをあさってみて面白かったのは佐々木好という方の曲です。
ほげっ...ニコニコ動画しかあらへん。
ストレート 佐々木好 by kosaku 音楽/動画 - ニコニコ動画
鈴木茂といえばストラトorサンダーバードですが、ここではアコギを弾いておられます。ここでもリードプレイが冴えております。ソロも良いですね。
この佐々木好という方の話になってしまうんですが、「80年代の歌謡曲」というジャンルには括りにくい世界を持っておられます。あまりにもしみったれているというのもありますが、歌詞が非常にパーソナルなんですよね。正直ゼロ年代になって目立ってきた自意識過剰な日本のロックの歌詞と共通するところもある気がするんですけど、深刻さが違うんですね。曲作りも面白いです。
先生の話に戻りますが、いまだにソロアルバムを聞いておりませんので、とっとこ手にいれたいと思っております。
自伝で他に印象的だったのは、スライドギターについて、ライ・クーダーのスタイルが真似しようと思い結局挫折してしまったが、ローウェル・ジョージのプレイを聞いてもう一度挑戦してみたことです。わたくしも2日で挫折した人間ですが、リトル・フィートを聞いてもう一度自分を奮い立たせてみようと思います。だって小指疲れるんですもんボトルネックって。
とりあえずこれからも研究していきたいです。