らなる堂

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血みどろ就活倶楽部②

就職は不公平です。でもあんまり不公平不公平言ってるとはねトびで司会しかやらなかった人の言うことみたいになってくるんでやめときます。私は原因となる社会構造を批判できるほど物事を知っているわけではないので余計なことは言えません。

 

② "スカウト"&"オファー"

 某大手就活サイトには"スカウト"という機能があります。これは、就活サイトに自己PRの文を登録しておくと、企業がそれを読んで、ぜひ選考に参加してほしいと思う人を選別する機能です。

ちなみに、"スカウト"されたからってなにか特典があるわけではありません(少なくとも私はそうでした、書類選考免除くらいはあるかもしれません)。志望動機を聞かれた時、「御社にスカウトされたからです」なんてのは通用しません。要は企業側が送る紹介メールと大差ないわけです。

僕はこの"スカウト"という字面を真に受けて、一つだけ企業の選考を受けに言ったことがありましたが、当たり前のようにお祈りされました。一緒に面接受けた方がめちゃくちゃ優秀かつ人格者だったことと人事の方がスゲー美人だったことしか記憶にありません。

企業側も自己PR文を全て読んでいるわけではなさそうです。

以下のリンクは一部界隈で話題になった事象であります。

 

https://twitter.com/ranoiaru/status/1010831931456421888

 

おそらく企業側はなにかキーワードを用いて、文章検索を駆使し、ヒットした学生を片っ端から"スカウト"しているというわけでありましょう。別にそれ自体は悪いことじゃないと思いますけど、"スカウト"という思わせぶりな文言はやめていただきたいものです。これ以上わたしのような悲しいカンチガイ人間を増やさないことにもつながりますし、企業側も無駄な時間を割かずに済みます。

 

 

で、それに付随して"オファー"型の採用サイトというものもあるわけです。こちらも自己PRなり学歴なりを登録して、それを見た企業が選考の"オファー"をかけてくると言うものです。こちらも優遇とかはほぼないと思います。勘違いなされないようご注意ください。

そのなかでも"特別オファー"みたいなのがあって、これはサイト側の"就活リクルーター"的な存在が適当に見繕った企業の求人情報を紹介するというものでした。特別というとなんとなく有名な企業からのオファーなのかな...と一瞬ワクワクしてしまいますが、そういったところからオファーが来ることはないです。

 

で、この"特別オファー"で選考を受けると、お祈りされた際に企業側がお祈りした理由を教えてくれます。フィードバックとかいうものですね。...フィードバックって言うとかっこいいですけど、要は選考を受けた方に対するケチとかいちゃもんです。

「お祈りメールでムカつくのは落とされた理由がわからないから!」とよく言われておりますが、無機質な文面だけで落とされた理由を描かれるのもなかなかムカつくものです。わたくしの場合は「質問に対する回答としてのエピソードの具体性に欠ける」みたいなことが書かれてました。要は「何言っても薄っぺらなやつだなお前」と言ってるわけです。悪かったな薄っぺらで。

こういうのを素直に受け取って、今後の参考にしようと思える方はきっとあらゆることがうまく行くと思います。

わたくしのようにこういう文を見たときの第一声が「あ"?」となってしまう方は速やかに削除して気持ちを新たに別の選考へと進むのがよろしいでしょう。

 

 

 

こういった"スカウト"と"オファー"の構造が、私にとっては不自然に感じられたのは、オファーを出した企業と、オファーを受けた学生の気持ちの齟齬が生じていることにあります。

オファーを出した企業は学生に対して「真剣」に選考に取り組んでもらいたいと考えています。オファーがあろうとなかろうと選考は通常どおり行うことについて何か間違いがあるとは思えません。

しかし、オファーを受けた学生は大抵「なんとなく」選考に進んでみようかという思いがあるはずです。せっかくオファーを受けたのだから「とりあえず」行ってみようか、「なんでもいいから」受けてみようという気持ちがあるはずです。

 

多くの企業が選考において重視することの一つが「なぜ我が社なのか」ということです。

このような"オファー"や"スカウト"を行う就活サイトは、求人情報を「待遇がいいから」とか「英語が活かせそうだから」とか「希望する業界と近そうだから」という適当な理由で押し付けてくるだけで、その会社についての業績や業界内での立ち位置についての詳しい情報の提供やフォローなどは一切行ってくれません。学生が"オファー"を了承した瞬間、その企業における選考の責任は全て学生に回ってくるのです。選考におけるアドバイスはありますが非常に普遍的なものです。

 

そりゃまあ使ってる学生が多いんだから一人一人に対してそんな丁寧な対応してらんないのはわかりますよ。しかしながら、"就活リクルーター"においてもそうだったんですけど、企業を紹介するだけして、あとはハイ頑張ってねという姿勢はなんなんでしょうか。

利点は探す手間が省けるとか、非公開求人が見つかるとかでしょうか。

なんども言いますけど、"オファー"や"スカウト"をもらったところで選考過程そのものが劇的に有利になることなんてありません(劇的に有利になったご経験があればご一報ください、速やかに訂正させて頂きます)。

 

新しい就活の形式を標榜しておきながら、その実態はほとんど変わっていないんじゃないんですかねえ。