らなる堂

音楽

Desaparecidos - Golden Parachutes, 音楽と政治?

youtu.be

 

Services that don't exist
Swapping the derivatives
When you're betting on both red and black
It's dealer's choice the deck is always stacked

Now he runs the company
Cable news celebrity
They put him on the front of Forbes
He parades the bull like he's a matador

It’s a frat house full of silver spoons
Watching pornography of busts and booms
It’s a locker room of CEOs
Telling dirty jokes

They're all betting men who never lose
And float away on golden parachutes
It’s a bonus not a shake down
And they're worth every penny
in my bank account

Now that you're too big to fail
You'll never have to go to jail
When you own it you can rob the bank
A bloated Dillinger a spray-tanned Jesse James

It’s a frat house full of silver spoons
Watching pornography of busts and booms
It’s a locker room of CFOs
Telling racist jokes

They're all betting men who never lose
And float away on golden parachutes
And if Main Street wants a hand out
In their underwater houses let them drown

 

存在しないサービス

デリバティブの交換

お前が赤と黒の両方にかけたなら

それがディーラーの選択、デッキはいつも山積み

 

今、彼は会社へ急ぐ

ケーブルニュースのセレブ達が

彼をフォーブスの表紙に載せる

彼は買いっぷりを誇ってる、まるで闘牛士のように

 

それは銀の匙でいっぱいの友愛会館

デカパイとデカケツのポルノを見てる

それはCEOの更衣室

下品なジョークを言い合ってる

 

奴らは全てを負け知らずの男に賭け

黄金のパラシュートで逃げ去る

それがボーナスだ、強請りじゃない

奴らにはそれだけの価値がある

俺の預金残高くらいの

 

お前は今や大きすぎて潰せない

お前は刑務所に行く心配なんていらない

もしそれが手に入れば銀行強盗だってできる

太ったデリンジャー、日焼けしたジェシー・ジェイムズ

 

それは銀の匙でいっぱいの友愛会館

デカパイとデカケツのポルノを見てる

それはCFOの更衣室

差別的なジョークを言い合ってる

 

奴らは全てを負け知らずの男に賭け

黄金のパラシュートで逃げ去る

もしメインストリートの連中が

ビラを水中の家から求めるなら

そいつらを溺死させちまえ

 

Desaparecidos です。

イントロの\ハイ/がいいですね。非常に激情的な歌唱。

彼らの音楽はかなり政治性を帯びています。でも英語だからよくわかりませーんという感じで普通のエモとかハードコアのくくりで聴けてしまう。それじゃあかんねん。

この曲にはかなりダブルミーニングが含まれていそう。

"Bull"なんてのは雄牛のことですが、株式業界では相場が上がって買い手が活気付く様を表していたり、"hand out"(名詞ならhandoutと表記されるらしいですがよくわからん)はチラシとかビラのほかにも、施しやらお恵みの意味があるそうです。

 

"And they're worth every penny in my bank account"という一節ですけど、"my bank account"がすっからかんだったら何の価値もないということですね。たぶん...

 

題名の"Golden Parachutes"も含めて経済用語みたいなのが多い。"you're too big to fail"という一文ですら経済用語みたいです。"Golden Parachutes"の大意は...まあ天下りみたいなもんですかね。ちょっと違うか。

 

---------------------------こっからプラウザバック推奨----------------------------------------

 

 

日本の音楽だと、ちょっとでも直球な政治的ワードが入ってくるとわしは忌避してしまいます。でも外国の音楽ならいくらでもOK。

自分でも非常によくないことだと思います。要は他人事だからただの音楽として聞けるわけです。

メッセージがないとつくれない音楽があります。しかし、音楽の受信者であるわたしにそのメッセージは全て聞き取るということはできません。というか、そういうつもりがあんまりないです。あくまでメッセージから醸し出されたエネルギーやら感情的なサムシングにしか興味がない。メッセージそのものはたいがいどうでもよくなってしまう。

 

失われたメッセージはライナーノーツとかインタビュー文で、製作者自身の言葉から補う時もあります。音楽にそうしたメッセージが再び付加した時、より音楽が輝いて見えることもあるし、自分の思ったことと違っていて疑問がつきまとうこともあります。

 

わしにはまだ理解できないノイズ音楽家の一人にメルツバウとして有名な秋田昌美おじさんがいますが、おじさんはヴィーガンとして有名です。同時に動物大好きおじさんでもある。おじさんは機材のパワーブックに"Meat is Murder"というステッカーを張っていらっしゃるほどの筋金入りのヴィーカンだが、「自身の音楽にヴィーガン的思想が投影されている時もあるが、別に聞き手がそれを読み取る必要はない(うろ覚えです)」的なことをおっしゃられていた。今はもう考えが変わっていらっしゃるかもしれないけど、受信者にとっての音楽の自由度は重んじられている方なんだと関心しました。

いや、おじさんの音楽は好き好んで聴くにはまだ修行が足りないのだけど。

 

そういえばモリッシーおじさんも"Meat is Murder"と歌っていらっしゃる。それは英語で"Meat is Murder"と歌ってるから楽しんで聞けるのであって、"食肉は~殺人だ~♪"とあの美声でもって日本語で歌われたら、わたくしは聴いてないと思います。

 

少なくとも、わたくしは受信者に対して自由な音楽が好きです。

それは洋楽であれば、言語的な問題からその条件を満たすし、邦楽であってもそういった条件を満たす音楽はたくさんあります。とりわけ暗示に満ちたものであればなおさら好きになります。

 

で、なんでDesaparecidosのこの曲をガバガバ邦訳したかというと、たしか日本版が出てなかったということ、そして英語がぱっと見難しくなさそうだったからです。

別に小難しい話をするつもりはありませんでした。すんません。

 

次回は3.11と音楽の関係について今更振り返りたいと思ってます。

 

 

...絶対無理だ。