らなる堂

音楽

今年を振り返る(Spotify編)

僕の大好きだったベーシストの一人のジョッシュ・フォーヴァーさん逝去からはや一年経ってしまいました。

https://pitchfork.com/news/former-deerhunter-bassist-josh-fauver-is-dead/

 

Deerhunterの話をしだすとキリがないんですけど、ジョッシュが脱退してからすぐに出したアルバム「Monomania」をいろいろと吹っ切れることができたのか、最近は聞くことが多くなってきています。死の匂いがプンプン漂う作品。


Deerhunter - Back To the Middle (Official Video)

 

そんなわけで今年もSpotifyくんが今年のベストトラックのプレイリストを頼んでもいないのに作ってくれましたので文句でもつけつつ振り返りたいと思います。なんか新しい試みとして「2019年のまとめ」とかいう特設ページもSpotifyくんは作ってましたけど、ページの途中でアプリが落ちるのでまともに見られませんでしたよ。あとPC版アプリ(MacOS)はいまだに起動が遅いというバグが生じてるのに全然改善されてません。がんばれ。

 

open.spotify.com

曲順=聞いた回数の順位という解釈でいいんですかね...?

 

1: Lambchop - "Everything for You" 

2: Lambchop - "Crosswords, or What This Says About You"

 

今年Spotifyで一番聞いたアーティストはLambchopだそうです。二曲とも一番最近のアルバム「This (Is What I Wanted to Tell You)」の曲です。もともとオルタナフォークとして括られてたはずの彼らですけど、前作「Flotus」からヴォーカルにエフェクトを入れ始め、エレクトロニカ(もしくはCluster的なクラウトロック)に接近し何が何だかわからない状態になっております。その前作も静謐な曲ばかりで良作でしたが、今作はメロディーがより際立ち、直情的な曲が多くなってます。カート・ワグナー先生の歌声に心が温まる2曲です。アルバム中唯一アップビードな"Everything for You" は本当によく聴きましたよ。逆に言うと「This (Is What I Wanted to Tell You)」はこの2曲しか聞いてないということなんですけどね...

 

3 : mei ehara - "蓋なしの彼"

5 : mei ehara - "頬杖"

7 : mei ehara - "狂った手" 

ほか、9、10、11位にランクイン

 

mei eharaも聴きました。ほんとによく聴きました。「Sway」は今年一番聞いたアルバムかもしれません。きれいな水みたいな音楽です。ミニマルなアレンジ、モコモコしたミックスなど好きな要素をあげたらキリがない。ちょっと憂鬱そうな歌声もすばらしい。メジャーセブンスを多用した進行も最高です。とりわけDメジャーセブンス大好き人間としては"蓋なしの彼"のDメジャーセブンスは最高です(なんかスージー鈴木さんみたいになってきたな)。

就活の時にはこればっか聞いてました。混乱しまくった頭を抱えて歩いた時に聞いた"街の様子"の抑制されたギターノイズに救われたり、駅までの道のりまでで聞いた"冴える"で吹っ切れた気分になったり。自分の好きな要素が詰まった作品です。でもこんだけ好き好き言っといてCD買ってないという。

 

4 : American Football - "My Instincts Are the Enemy"

6 : American Football - "Home Is Where the Haunt Is"

8 : American Football - "Born to Lose"

 

American Footballに関しては絶対CD買うまで聞かない!という謎のこだわりがあったんですけどあっさり陥落しました。ストリーミングには勝てなかったよ...

1stアルバムももちろん素晴らしいんですけど、聞いた回数だと2ndアルバムの方が相当多いみたいです。サウンドが分厚くて充実してるのが好みなのかもしれません。"My Instincts Are the Enemy"についてはマイク・キンセラの歌声に漂う哀愁とポジティブさのバランスが良いです。これ歌いながら弾くのキツそうだな〜って毎回思うギターもキラキラしてて良い。だいぶ前の記事で書いたような気がするんですけど、歌詞が全部後ろ向きなことしか書いてないのもグッときますね。"Home Is Where the Haunt Is"、"Born to Lose"はその極地かも。

三曲ともどういう時に聞いてたっけな...なんか特に聞く曲ない時にとりあえず再生しとくか...みたいな感じだった気がします。

 

12 : ミツメ - "青い月"

 

「A Long Day」は好きすぎてCDレンタルしましたし、今年出た新譜の「Ghost」に至っては買いました。そうじゃなかったらミツメの曲はもっと上位に食い込んできたと思います。この曲は名曲"エスパー"のシングルのカップリングですが、エスパーに引けを取らない名曲だと思います。川辺さんの歌い方にあんまり感情が感じられない(失礼)とことか、アウトロでシンセが遊びまくってるとことかが"エスパー"以上に「A Long Day」以前のミツメらしさを感じます。1st~3rdもそこそこ好きですけど、メロディーがはっきりしてる曲の方が個人的に好みなのでどうしても聞く回数は「A Long Day」以後の曲に集中してしまうようです。

ほぼ何も考えずにボーッとしてる時とかにこの曲をよく聞いてました。でもアウトロのギターふたりのカッティングの応酬でこっちのテンションも若干上がってきてしまう。

 

13 : Boy Pablo - "Everytime"

 

彼のライブ映像を見たら、お客さんで会場が埋まっていなかったので悲しい思いをしたわけなのですが、めげずにこれからもふんわりとしたいい曲を作ってほしいところです。Youtubeでマック・デマルコの動画見てるとほぼ確実におすすめされるのが謎なんですけど、シンセポップに抵抗がなければぜひ聞いていただきたいところです。

なぜ好きなのかと言われたら曲調が...としか言えないんですけど、シンセの使い方がちょっとアナログっぽいとこがあったり、ボーカルに頑張ってる感がないとかですかね。...まあわしが聞いてる音楽はほとんどボーカルに頑張ってる感ありませんけど。

歌がうますぎないポップ音楽が増えて欲しいとよく思ってます。

 

14:Jerry Paper - "A Moment"

歌が上手いと言っていいのかもわからないし、ポップ音楽なのかもわからない。いやポップ音楽ではあるか。我が道を突き進むJerry師匠。相変わらずメロディーの良さが光る曲ばかり作っておられますが、近作はWise Blood、そしてMild High Clubと垂涎もののコラボ曲も収められ、ますます勢いに磨きがかかっておりましたが、やっぱり後半の曲からセンシティブになるきらいがあるので、こういうシュールで元気の出る曲をもっと作って欲しいところであります。あとライブ映像も歌ってるだけで面白いし元気が出るのでもっと挙げてほしいですよね。

 

15:Summer Salt - "Revvin' My CJ-7"

のんびりとした雰囲気にはソフトロックの匂いがしますが、録音のローファイさはもはやモダンですらあります。ギターとベースとドラムだけで構成されたこじんまりとしたバンドのサウンド、少しヘロヘロなボーカルになんど癒されてきたことでしょう。

もし天国にたどり着けないのなら

Cj7(ジープの車種)のエンジンをかけなきゃ

それが人生というものさ

 某音楽雑誌に「このままのスタイルだと後がないぞ」みたいな忠告をされてたんですけど、こっちとしてはそんなの構わずに今のスタイルで突き進んでほしいです。

 

17:The Yellow Monkey - "SHOCK HEARTS"

バンドノメンバーガコノ曲コピーシタイッテ云フカラ、参考ノタメニショウガナク何度モ聞イテタライツノ間ニヤラランクインシチャッタンダヨ。ハードロック嫌イナ僕ガ、イエモンナンテ聞クワケナイジャナイカ。コントンジョノイコ。

.......バンドのメンバーにこの曲コピーしたいって言ったのは僕だし、それ以前からしょっちゅう聞いてました。iPhoneでキーボード弾いたのは結構楽しかった。歌いやすい音域なのでイエモンがカラオケのレパートリーとなってるんですが、この曲はいろんな意味で直球なので歌ったことないです。ノリノリでホントに楽しい曲です。PVも最高。

 

25:Beach Fossils - "Shallow"

夏によく聴きましたね〜。Real Estateとテイストが似てるらしいという話から聴き始めたんですけど、Real Estateとは別物ですよね。篭り気味なミックスとギラギラしたギターがよい。ドタバタしたドラムは性急さを煽り立てているにもかかわらず、ボーカルはヘロヘロでその上わずかにディレイがかかっており、このズレが頭を心地よくトロけさせてくれます。ライブ映像だとこのトロけ具合が再現されてなくて残念。無理な話とはいえ。

ただこのスタイルも今作限りなようで、次作ではミックスがかなりすっきりした音像となり、ギターが後退し、キーボードやストリングスが目立つアレンジの曲が多くなってしまいます。まあそれだけならいいんですけど、アップテンポの曲がグッと減ってしまったのが一番残念なところです。バーズを意識したような夢見がちな"This Year"は好きですが。これからも期待しております。

 

 

そんなこんなでそろそろ息切れしてきたんでもうやめときます。

ランクインしてないけどここ最近聞いたバンドだとDusterでしょうか。2ndアルバムはハードコア→ポストロックの転換期にみられた実験性と寂寥感そのものなメロディーが融合した名盤でありました。19年ぶりの新作も出したようでうれしい。

Spotifyに入ってないバンド・アーティストだとBlankey Jet Cityをよく聴きました。後期になってからのBJCは完全に侮ってたんですけど、なかなか切れ味のある曲ばかりで何度も聞いてはハイになっております。

 

 

今年も同じような曲を何度も聞き返しました。来年もおんなじ感じだと思います。