わたくしはどこで間違えたんでござんしょうか。
月ごとに振り返ってみることにします。
2019年5月
内定。人事より品質保証に関する部に配属されると説明を受ける。
2019年6月〜2020年2月
半分研究、半分遊び呆ける。
2020年3月
入社に備え引っ越し準備などを始める。
2020年4月
入社日になったがぼく一人だけ会社からの説明を勘違いしてコロナの疑いがあるということで家で自己隔離を言い渡される。
前記事での自分の読解力のなさ...というのはこのことです。
会社も(一応)鬼ではないのでリモート環境で研修を受けられるように対応してくれたので感謝感激する。少なくともあと十年はこの会社に貢献させてもらおうと思う。
全体研修では8割がた現場猫の画像で書いてあるようなことを教わる。
暇な時間は料理を作って楽しむ。
2020年5月
しばらくリモート研修が続く。同期の顔をほとんど見ずに過ごす。
保険証を紛失する。フィッシング詐欺に引っ掛かったのもこの頃だったような気がする。
2020年6月
ようやく自分の配属先が決定される。品質保証とは何にも関係ない部署であることを初めて知る。ついでに工場内(いわゆる現場)には一歩も足を踏み入れないため、全体研修で習ったことの8割が役に立たないことをも知る。
職場の人が誰も定時で帰らないことを発見する。
他部署と合同で新人研修を受けることになっていたようだが、コロナの影響もあり予定が遅れる。
それを埋めるようにどこの部署に所属しているのかよくわからない謎の中年社員(以下、おじさんと呼称)による新入社員10名ぐらいを対象にした謎の研修が始まる。
研修1:エクセルの仕事での使い方を教えてくれると思ったらなぜかYoutuber(以下エクセルtuberと呼称)を紹介され、エクセルtuberの動画を見て勉強するよう言い渡される。
研修2:エクセルtuberが作った課題を実況しながら解いている様子を録画してその動画を共有ならびに提出するよう言い渡される(おじさん曰く「お前らが苦しんで解いている様子を見て笑い転げたいねん」)
研修3:エクセルtuberを招致して講義を聞く(エクセルtuberの方のお話には多少好感を持てたが、おじさんがでしゃばって口を挟んでくる、執拗に自己主張を行う、「自分もそう思っていた」などと相槌に見せかけたアピールをし続ける)
研修4:おじさんが選出した統計学に関するキーワードについてプレゼンテーションするよう言い渡される、プレゼンテーション本番は当然のごとく個人をこき下ろすようなダメ出し&自分がそのキーワードについてどれほど熟知しているかということについての講義をしてくれる(キーワードの内容自体についてではない、"自分はどれだけ知識が豊富なのか"のアピールである)
研修5:おじさんの何気ない言葉を「名言」と感じたらその新人はメモして新人全員で共有するよう言い渡される
研修6:そのほかおじさん自身が感銘を受けた言葉を気まぐれにチャットに投下し、それについて調べるよう言い渡される
研修7:「研修4でお前らがぜんぜんプレゼンダメなのわかったわ、俺が選んだ本を(経費で)お前らに買ってやるから、それを読んで章ごとに内容をまとめて発表しろ」と言い渡される(なお、この頃になると各人が配属での仕事を任されるようになっていたのたが、「そんな研修なんて後でいい、俺の研修を第一に優先しろ」の一点張りで聞かなかった)
…他にもあったような気がするが記憶がない。
おじさんに関する追憶として、
・毎日13時になると“おじさん会”が開かれ、以上のような研修を言い渡され、おじさんのありがたい愚痴を聞かせてもらえる
・Zoom会議では自分の顔をどうしても映したくてしょうがないらしく、毎日そのご尊顔をライブカメラでお見せしていただける
・おじさんが日常的にチャットで割とどうでもいいことを発言し、反応がないと「そういうとこだぞ新人、ちゃんと反応するかどうかで評価が変わってくるんだ」などと警告してくれる
・新人に日にちなどの間違いを指摘されても言い訳や理屈を並べ絶対におじさんは間違っていないことを教えてくれる
・ぼくの配属された部署は新設されたばかりだったので新人に回ってくるような仕事が設定されておらず、おじさんに好かれていたぼくの同期はよく厄介ごとを任されていた
・おじさん自身から何かを詳しく教えてもらったことはほとんどなかった。なにかヒントじみたことだけ言って(それすら無かったこともあった)、あとは「俺は忙しいから自分で調べておけ」というのが定石だった
・おじさん会ではよく「お前らはモルモットだ、俺が考えたこんな画期的な研修方法がうまくいったら来年からもこのやり方ができる、こんな画期的なことを考えつく俺は天才じゃないか」と口にしていた
ぼくは仕事場や家で独り言を呟きながら何かを操作している様を録画し、加えてそれが他人に見られるということがどうしても耐えられなかった。そして自分のやってる事がマウントや揚げ足を取り、新人に対し愚痴を吐き続けるおじさんの評価に繋がると考えると怒りがおさまらず、結局のところ研修2をクリアするごとができなかった。おじさんはお昼後のおじさん会でよくそのことをあげつらっていた。
ぼく以外は全員クリアしていたので、たぶんぼくがおかしかったのかもしれない。
ある管理職の方は「君がまともなんだよ」と言ってくれたけれども。同部署の先輩社員もお昼になるとぼくが激怒しているさまをよく目にされていたようだ。
2020年6月下旬ごろ〜
ようやくぼくの部署内でも正規の研修プログラムがスタートするが、おじさんの謎の研修が原因で研修の進捗度合いに支障をきたしていることが発覚。おじさん会はストップされる。
おじさんの研修が何一つできなかった反動か、プログラミングの研修にのめり込む。研修の指導役だった社員の方と仲良くなる(以後、プログラミング師匠と呼称)。
2020年7月
師匠経由でプログラミング関連の仕事をちょぼちょぼ任されるようになった。
おじさんが今年からぼくと同じ部署に配属されることを知る。
ある日、ぼくの部署のリーダーである管理職と先輩社員、おじさんによる会議が開かれており、ヘッドホンから漏れるおじさんの声を盗み聞きしていると、ぼくがおじさんの研修2が終わっていないことを理由にとあるプロジェクトから外されることを知る。
会議が終わった後におじさんがわざわざ「こういうとこで仕事が回ってくるかどうかが決まってくるんだぞ」と言いに来る(おじさんの関与に関わらず最初からぼくは入っていない予定だったのかもしれない、僕には結局わからずじまいだった)。
ぼくは結局のところおじさんに好かれるか好かれないかで仕事の評価どころか仕事が割り振られるかどうかすらもが決まってくるのだろうと思う。
この辺から仕事してると肩が妙にこったり、目が疲れたり、のどの渇きを頻繁に感じるようになってくる。呼吸がうまくできなかったり、泣きそうになったり、水を飲むと溺れそうな感覚に陥るようになる。
耐えかねて保健室に行く。保険医さんに現状を洗いざらい話す。今の部署が合わないなら部署変更も可能かもしれないということを教えてもらう。
ぼくが保健室に行ったことが先輩社員や部署のリーダーに知れ渡り(別に悪いことではない)、彼らとの相談の場が開かれる。合わない人はいる、でもおじさんはすごく仕事ができる人なんだ、なにかストレスを感じたら気晴らしをしてやり過ごすしかないと諭される(そう諭されたことに悪意は感じなかったけど、この先もずっとおじさんとうまく折り合いをつけなきゃいけないんだなとますます落ち込む)。
同時にぼくがおじさんからいい意味で自分を曲げないとこを評価されていることを聞かされる。皮肉にしか聞こえない。
緊急事態宣言が出てるから会社から地元に帰ってはいけないと言われていたのに僕はこの時から月に一度のペースで帰省するようになる。一人でいるのが耐えられなかったこともあるし、なんならとっととバレてクビにしてもらいたかったというのもある。誰にもバラさなかったけれど。
帰省先で過呼吸になりかける。
続きます→③