らなる堂

音楽

ここ何ヶ月かの記録#1

一応音楽のブログですので、個々のページにするほどの言葉をひねり出す元気がないのですが適当に書いてきます。

 

Steely Dan / Aja

キリンジの影響です。プロミュージシャンに任せて自分たちはほとんど作曲、アレンジ、歌とコーラスに専念する方法は珍しいようで珍しくないことはあります。ただ昔はバンド形態だった彼らにとってすれば新しい手法だったんじゃないんですかね。AORというジャンルでくくってもなかなかこれと同じ雰囲気をまとった音楽には会えません。どーしてもミュージシャンのエゴというものが否応無く立ち現れてしまうのです。いや、表現とエゴの問題はまた別の話とするとしても、このアルバムのような良い意味で素っ気なく作られたポップなりロックというのは結構無いんです。ジム・ホールの「アランフェス協奏曲」ですらもバカスカ叩いてたスティーブ・ガッドですらも"Aja"のドラムソロを除けばかなり抑制の効いたプレイです。コード進行はジャズ中心なんだろうけど細かいことはまだよくわかんない。

 

Yo La Tengo / And Then Nothing Turned Itself Inside Out

ノイズギター炸裂が"Cherry Chapstick"しかありません。基本的にはジャケットの写真のような夜とか明け方に聞くアルバムです。ゆったりと時間がすぎていく。アイラのジョアン・ジルベルトをヤンチャにしたような歌声(意味不明)が沁みます。歌詞も物悲しい。"Last Day of Disco"とか。音響的に割と凝っているのも聞き逃せない面です。たゆたっているわたくしを"Cherry Chapstick"が切り裂いて行く。アイラの乱雑かつ適当に引きまくりそれをソロと言い張るかのようなギタープレイにわたくしはどれだけの影響を受けたことでしょう。2回目のコーラスが終わったあとに真ん中のチャンネルから"Chaising a Bee"が如き壊れたギターがさらに侵入。最後の"Night Falls~"は長尺。穏やかなノイズを伴いながら夜へと溶けていきます。

 

Joao Gilberto / Amoroso 

ボサノバ強化期間だったんです。Amorosoはオーケストラを伴ったアレンジとなっております。彼の声とギターをもっと味わいたい方は前作をどうぞ。編曲にクラウス・オガーマンが参加してるのは今調べて知りました。ジョビンのWaveでもそうだったんですけど、弦楽の音がなんとなくシンセサイザー的というか、ちょっと変わった感じなのはなぜでしょうか。"Wave"は「落ち込んだ」の空耳で有名。好きな曲は"Caminhos Cruzados"です。一度練習してみたりも「しましたが、テンションコードの嵐で挫折。これでもましな方だと"Triste"のコード譜を見て知ることになるのですが。ボサノバという枠を超えた普遍性を持って胸に響く曲だと思います。

 

Tortoise / The Catastrophist 

文句中心になりそうなんでこれだけ別にページを割いて書こうと思います。

 

大瀧詠一 / EACH TIME

一番最初に聞いたアルバムがこれというのもだいぶ問題がある気がしますが、ジャケットが一番ピンときたという理由でして。そのときはこれがソロ最終作なんて知らなかったんじゃ、許してつかあさい。風街ろまんを聞いてから、それ以前にYMOを聞きかじってたこともあってか、細野晴臣の作品もしくは彼が関わってきた作品ばかり聞いてきており大瀧詠一はノータッチでした。いやあ、こんなにすごいとは。自分が年をとってきて、ある程度歌謡曲的な進行・アレンジに慣れてきたのもあるんですけど、全然装飾過多とも思いませんし、全ての音に意味を感じます。とうぜん松本隆先生の魔法は素晴らしい。彼が同じく詞を書いた松田聖子の曲においては、「やや奥手な男性とそれをリードしようとするも戸惑いを見せる女性」が中心となったものが多いという研究結果が先日叔父から明かされましたが、この作品においてもややダメ男な感じのある詞が多いように思われます。「ただの脇役だよ ぼくなんてね」という一節にみるわずかな卑屈さ、「気まずいサヨナラを決めたあと 送ってくはずだった」の奥ゆかしさとか。

作曲面ではどうなんでしょう。楽器me先生監修のコード譜を見る限りやっかいなテンションコードは登場してません。わりと平易です。個人的に気になるのは6thコードの存在でしょうか。(わたくしの大好きな)メジャーセブンスを用いたあと、その響きに終止せず6thへ移行します。何も考えず聞いてると特に意識もしないですが、実際に弾いてみると次の展開へ移行するための良いアクセントになっております。まあこんなことは大瀧詠一の曲に限らないことだとは思うんですが。

まあとっとこロンパケ聞けということでございます。しかしはっぴいえんどの「春よ来い」を聞いたあとだとかなりインパクトでかいです。そんなの当たり前だけど。

 

疲れたんでこんなとこ。