ある朝 手紙の中にそれが入っていた
差出人の住所は書いてない
表には僕の名前を記した金のシールがあるだけ
時間も位置も書いていない
何の情報も全く書いてない
日付もない、場所もない、時間もない、RSVPもない
だけどそれには こう書かれていた
招待されています 何かをして欲しい誰かから
あなたはいつでも招待されています
その招待状のことは深く考えないようにした
どうせくだらないジョークだろうと思ったから
だけどその週の金曜日にーまた送られてきたんだ
だからその招待状をディスコまで持っていった
そこはあと100万年は僕が行くことは無いはずの場所
一度だけ招待状を見せて ドリンクを受け取って中に入った
その場所に僕はそこまで長く止まらなかった
とても楽しんでる奴は一人もいなかったから
街の至る所でやってるパーティーに足を運んだ
招待状は前の恋人の友人から送られていた
僕はどこに行くべきかわからなかった
だけど僕が人々の笑顔が行き交う場所で目覚めた時
前の恋人をキッチンに連れていった
僕は彼女に「ここに来てしまってごめん」と言った
彼女は僕に虚ろに笑いかけ こう言った
招待されています 何かをして欲しい誰かから
あなたはいつでも招待されています
必要とされています 何もかもして欲しい あらゆる人から
あなたはいつでも招待されています
僕は家に少し早めに帰った
玄関先で隣人が泣いているのを目にした
彼に何が起きたか考えるのをやめた
泣き声のせいでほとんど聞こえなかったけど、あるパーティのことと
自分がそのパーティに行かなかったことを言っていたようだ
僕は数秒考えた
あの招待状を手にして
彼の足元に投げた そしてこう言ったんだ
招待されています 何かをして欲しい誰かから
あなたはいつでも招待されています
必要とされています もし本当にあなたが行きたいのなら
あなたはいつでも招待されています
いつだって
いつだって
"四肢切断計画"の「緊急事態とわたくし」収録の一曲です。
歌詞考察サイト"songmeanings"では、曲中の招待状(invite)がポジティブなものかネガティブなものなのかで意見が分かれております(https://songmeanings.com/songs/view/42903/)。
わしはネガティブ派です。
はっきりとは言及されてはいませんが、語り手である"I"とその隣人はパーティに背を向けた者、もしくは爪弾きにされた者のように感じます。
元カノと出会ってもディスコに連れていって一緒に踊るというベタの展開をとるわけでもなく、彼女は虚ろに笑い招待状の文面を繰り返すだけ。こわい。
たらい回しにされる招待状。
おそらく招待状を渡した本人は、渡した相手に対しては何も求めていないし、期待してもいないのです。こわい。